Q&A形式で、遺留分について解説します。
【問】
相続を考えるとき、遺留分を見落としそうですが、大事なことですよね。
【答】
民法では、兄弟姉妹を除く相続人(配偶者と子又は直系尊属)に対し、法定相続分の一定割合を遺留分として認めることである。これは、残された相続人の生活や相続への期待を守るためなんだ。
遺留分権利者全体に保障された遺留分は、直系尊属だけの相続人の場合は相続財産の3分の1、それ以外の場合は2分の1となっている。複数いる場合は、法定相続分に基づく各人の遺留分を決めることになるよ。
【問】
遺留分の制度については、平成30年民法の改正で大きく変更されたとお聞きしますが、どんな点ですか?
【答】
一つには、相続人に対する贈与は、原則として「相続開始前の10年間にした特別受益となる贈与」に限定されたこと
二つには、「遺留分減殺請求」から名称が変わり「遺留分侵害額請求」となり、相続財産が不動産などの場合、所有権が相続人同士の共有関係になったが、金銭による解決が図られることになったこと
三つには、請求権の行使により受遺者や受贈者が金銭債務の支払いに応じれない場合は、裁判所に請求することで、相当期間支払いの猶予を受けられる仕組みも整えられたことなんだ。
【問】
遺留分を侵害されているときを知った時は、誰に請求するのですか。また、いつまでにしなければならないのですか?
【答】
民法では受遺者または受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭を請求をすると定められている。その方法については、特に決まりはなく意思表示で足りるとされているよ。
贈与と遺贈があるときは、まず遺贈について行い、それでも遺留分の侵害が解消されない時は、贈与について行うことになっている。
遺留分権利者が、相続の開始および遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年間行使しない時は、時効によって消滅する。
遺留分についてブログで紹介しておりますので、併せてお読みいただければ幸いです。