相続の手続きを終えてやれやれと思っても最後のタスクが待っています。農地法3条の3には、農地の権利を農業委委員会の許可なく取得したときは届出の義務があります。 ●どんな時届出が発生するか 相続、法人の合併、時効取得等により取得した場合です。多くは相続によって所有権が移動する例が多いと思います。届出は権利の取得から10ヶ月以内です。...
法務局に自筆証書遺言書(この記事では「遺言書」といいます。)を保管していて、その後変更したい(軽微にあらず)とお気持ちが変わることはあります。 遺言書を保管するときは遺言書保管法(以下「保管法」というい。)という法律が根拠となります。保管する遺言書を変更、撤回する手続きは保管法に基づいて行います。...
2024年が明けたまさに1月1日に能登半島地震が発生しました。あらためて自然の脅威に直面しました。被害の全容はまだ明らかでありません。被災された方が生活再建のために必要となる罹災証明書について考えてみました。 ●罹災証明書とはなにか 災害対策基本法90条の2は罹災証明書の交付について次のように定めています。...
昨年はフッシング詐欺、サイトに不正侵入し個人情報を盗み出す事件が報じられました。 情報化の進展とともにその手軽さゆえさまざまな事件が発生しています。 これからの相続の問題としてぜひデジタル遺品にも注目したいものです。 ●デジタル遺品とは...
令和6年4月1日から相続登記の申請が義務化されます。相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。 登記の申請は司法書士さんの業務ですが、申請に必要な添付資料の作成は行政書士も行うことができます。 ●申請義務化の概略 3年以内に相続登記の申請はポイントです。...
親から相続した土地なのに遠くに住んでるため管理できない、利用できないまま荒れ放題、、などの理由により手放したいと考える方もいらっしゃるでしょう。令和3年「相続により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」が公布されました。 一問一答の形式でこの制度の概略を学んでいきたいと思います。 Q どんな人が申請できるの? A...
来週から8月へ。酷暑が続いています。 ここでは紙の「内容証明郵便」について基本的なことを問答形式で解説したいと思います。 ●(質問) 契約を中途で解約したいんだけどどんな方法があるの。...
認知症や精神上の障害を患う人が増加しています。これらの方々に寄り添い財産の管理、身体の保護を担う成年後見制度の役割が改めて見直されています。この制度について知識を深めたいと思います。この記事は民法の条文を中心に記述しました。( )内の数字は条文の根拠です。 ●成年後見制度とは...
2025年には高齢者の5人に1人が認知症になる予測があります。相続に関し身近な三つのケースを考えてみました。 ①遺言書の作成 ②預貯金の引き出し、解約 ③遺産分割協議書への参加 ここで登場するAさんは70代、かかりつけ医から認知症の診断を受けています。 ①遺言書の作成は可能か...
総務省が発表した日本の総人口は1億2千494万人余り、前年から12年連続の減少となっています。年齢別では65歳以上の割合が29.0%で過去最高、15歳未満は11.6%で最低と一段と高齢化が進んでいます。 地域には老人会(クラブ)があります。もし老人会でお話しするととしたら、次の5点についてお話したいと思います。...