相続の手続きを終えてやれやれと思っても最後のタスクが待っています。農地法3条の3には、農地の権利を農業委委員会の許可なく取得したときは届出の義務があります。
●どんな時届出が発生するか
相続、法人の合併、時効取得等により取得した場合です。多くは相続によって所有権が移動する例が多いと思います。届出は権利の取得から10ヶ月以内です。
●届出書の様式は
農地法3条の3による届出書は市町村の農業委員会が定めています。ホームページに様式がありますのでダウンロードします。先日、届出書に記載して窓口に行って来ました。
●記載する上での留意点
届出書の記載はそれほど難しくないですが、気をつけないと書類の不備で二度手間にもなります。
例えば相続で親から取得した場合を考えてみましょう。
記載要領は裏面にありますのでよく読んでください。
項目は1〜8までです。
項目1は「権利を取得した者の氏名」です。この欄に国籍等を記入します。令和5年農地法施行規則の改正により、新たに国籍を記載することになりました。住民票を持参しましょう。
項目の2には「届出に係る土地の所在等」があります。農地ですので、田畑の所在等を書きますが、相続によっては原野や山林などの所有権を取得することもありますが、これらは除かれます。
また、「権利を取得した日」は被相続人が死亡した日となります。5「取得した権利の種類および内容」欄では所有権の場合は、現在の耕作状況等を記載します。他の農家団体等に委託している場合はその旨を記載します。
●登記完了証などの書類を持参
相続の場合は、次の書類を持参することになります。
ⅰ 登記完了証又は登記事項証明書(全部事項証明書)全筆分。ただし、電子申請の登記完了証の場合は登記完了証のみ、書面申請の登記完了証の場合は、登記完了証に遺産分割協議書を添付します。
ⅱ 住民票(本籍の記載あるもの)
以上のように届出書のほか、1ⅱの書類を持参します。
これによって相続の手続全てが完了します。