遺言書に遺留分が記載されていないため裁判沙汰になった方がいるとお聞きします。円満な相続のために遺留分をしっかりと配慮することが大事になって来ます。
●遺留分はどう記載するか
被相続人の直系尊属や兄弟姉妹を除く相続人に対し民法で規定されてる割合によって決められています。例えば子が3人いて長男に全て相続させると言っても、他の相続人に対し最低限の保障を与えることが遺留分の役割です。
自筆証書遺言書は法務局に保管できるようになり便利になりました。一方、公正証書遺言書は公証人の面前で遺言し証人も立会いするためより厳格な制度と言えます。
遺留分はこれら遺言書の中で表すことになります。
●争いが起きた事例
自筆証書遺言書を作成した方がおりました。相続人は子ども3人です。被相続人がお亡くなりになり遺言書がタンスに保管されています。その内容は長男に全て相続させるというものでしたが、当然他の相続人から不満が出され遂には裁判まで発展したというものです。
こう言った例はよくお聞きします。
遺言書には被相続人の想いが凝縮されているのですが、相続人にとっては遺産の配分について期待もあるでしょう。
円満な相続のためにも遺留分には配慮が必要となる所以です。
●遺留分の算定となる財産
まず算定の基礎となる財産(基礎財産)を確定することが必要になります。
基礎財産は次の算定式によって求められます。相続開始時の財産(遺贈された財産を含む)+生前に贈与した財産−借金などの債務
ここで「生前に贈与した財産」とはなんでしょうか。2018年法改正では、相続人に対する贈与は、原則として「相続開始前の10年間にした特別受益となる贈与」に限定する旨規定されました。10年間を超える贈与は含まれないことになっています。
また「特別受益」とは、相続人が被相続人から婚姻や生計の資本として財産の贈与を受けることです。