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農地の生前贈与


後継者が課題
将来の夢は農家

農業者が高齢になるにつれ次世代に経営を譲りたいと考えるのは自然なことです。早めに後継者を育てることも大切です。

●農地法3条の許可

例えば、農地を長男に譲渡するには三つの方法が考えれます。

・相続

・遺言

・生前贈与

ここでは生前贈与の方法について考えてみます。

父親名義を長男名義に変更したいとする場合、所有権が移転しますので農地法3条による申請を行い許可を得たのち登記をすることになります。

所定の許可申請書を農業委員会に提出し審査を受けます。申請書には、農地の登記簿謄本や印鑑証明書、住民票などが添付されます。

●許可申請の留意点

長男が農業を行う場合、年間耕作従事する日数が150日以上必要になります。近年サラリーマンを兼業しながらという事情もありますが、現在の農業経営の状況で判断されることもあるようです。

営農計画書も作成します。どんな作物を植えて収穫、販売までの年間のスケジュールを記入します。譲受者にとっては新たな特色生かした農業経営を行うこともあるでしょう。計画書は重要です。

●相続後には遺留分が生じることも

父親が亡くなった場合、相続が発生します。この場合他の相続人から遺留分侵害額請求をされる可能性もあることを留意しなければなりません。遺留分とは相続人が最低限受けることができる利益のことです。生前贈与を受けた農地の評価額が相続全体の財産に照らし合わせ算出されることになります。

また生前贈与により通常は贈与税が課税されます。農地の場合は納税猶予を受けらることがあるので税理士さんに相談されるとよいでしょう。