亡くなった方、高齢者で認知がある方で稀にですが、生命保険をどこに掛けているのか分からいない場合が発生します。一般的には保険証書が残されているとか、払込中のときは保険会社から案内が届くものです。そうした場合は問題がないでしょう。
●問い合わせ制度の開始
高齢社会に伴いうちの親がどこに加入しているのか分からない、そんな悩みに一般社団法人生命保険協会が応える制度が7月1日から始まりました。制度の概要は次のとおりです。
・利用できるのは、契約者本人の死亡時は相続人と、弁護士ら代理人が協会のホームページから申請(郵送でも可)
・協会に加盟する42社に一括して契約の確認をしてもらえます
・費用は照会1回につき三千円
・契約書本人との関係証明書の提出、認知能力低下時は医師の診断書が求められることもあります
●生命保険以外はどうするか
金融資産は近年、多岐にわたっています。株式、投資信託、国債などが代表的です。
最近お客様から受任した事例ですが、10年物利付け国債が2本ありました。幸いにも口座を管理する専用の預金通帳が残されており、不明というものではありませんでした。必要となる書類を準備し名義変更をしました。
朝日新聞7月1日付けこれら金融資産の対応について、証券会社、銀行の対応がまとめられています。
・株や上場投資信託など
窓口は証券保管振替機構、成年後見人ら法定代理人、相続人などが本人確認書類などを添えて書面で申請
・預金を扱う銀行
業界横断の一括の問い合わせ制度はなく個別の銀行に確かめることになります。
なお、全国銀行協会は、一定条件を満たした際には認知症の預金者に代わって家族がお金を引き出せるとの方針を表明しております。下記のブログを参考にしてください。
相続が円満に進むためにも、日頃から財産調書などを作成しておくことが大切であると思います。