公正証書遺言、自筆証書遺言でも遺言執行者を指定することができます。
●遺言執行者は誰がなるか
被相続人は遺言の中で亡き後の相続関係の手続き、執行について氏名を表しその業務を担ってもらうことができます。この役割をする方が遺言執行者です。
民法は「一人又は数人の遺言執行者を指定」と定めその指定を第三者に委託することもできます。
●どんな権限があるか
遺言執行者は就職を承諾したときは、相続人に通知し直ちにその任務を行わなければなりません。そして遺言内容を相続人に伝えることが求められます。不動産や預貯金などの遺産がどのように相続人に分配されるのか、財産目録を作成し相続人に交付することとされています。法は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有すと定め、権限を明確化しています。
●具体的な例
例えば、預貯金においては貯金又は貯金の払い戻し請求や契約の申し入れを行うこことができます。不動産においては特定財産承継遺言とされた場合、単独で権利移転の登記をすることができます。その他、遺言にある推定相続人の廃除については家庭裁判所へ請求するものとされています。
●報酬や復任権
遺言執行者の報酬は相続財産の中から費用として支払われます。また家庭裁判所が請求によって定めることもできます。また、状況によっては遺言執行者は自己の責任で第三者に任務を行わせることができるとされています。
遺言執行者の規定は、平成31年の民法改正によって権限の明確化が行われています。