いつもは比較的難しいテーマを取り上げてきましたが、岩手日報12月8日付「思いを伝える力育む」とするエッセーに注目しました。これは音読教室を主宰している佐藤久美子さんが書かれたものです。内容は、小学校における音読の宿題が6年間続けられる中でその目的や効果を語るものです。
この評論は、小学校の音読授業や宿題にありますので、語学学習という観点から書かれたものではありません。音読が語学にいい効果があるというのはよく知られています。中国語の通訳試験に合格した方が「音読がいいみたい」とストレートに述べています。
佐藤さんは音読についてこう書かれています。
音読の目的は、文章をつまづきなく読めるようになったり、語彙力が増えたりという、いわゆる「音読の効果」のさらに先にある「自分の言葉で、自分の思いを、相手にしっかりと伝える力を育む」ことにあるのではないでしょうか。・・・声の表情豊かに言葉を発することは、「相手に伝える力」を育む「声表現」の一つです。
語学学習に結びつけることは飛躍しているかもしれません。音読が語学に有用なことは、言葉を理解する、伝える点にあると思います。さらに上達するには、音読を重ね、自分の言葉で、考えを相手に伝える能力が備わることに繋がるものと考えます。音読の大切さは小学生のみならず語学を勉強している人にとっても同様であるように思いました。