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職務上請求書


職務上請求書は、依頼人様から業務を受けて必要となる戸籍謄本や住民票の写し等を請求できる用紙のことをいいます。これは日本行政書士連合会が作成する用紙で、行政書士が業務を遂行するために前記の戸籍謄本等を市町村役場に請求するために使用するものです。

 

対象となる業務は幅広く、例えば遺産分割協議書を作成するときに相続人を確定するためとか、産業廃棄物処理業許可申請書に当該法人の役員の住所と本籍を記載し添付するためとか、あるいは自動車登録申請書の作成業務などに必要とされるために使用する等です。したがって、職務と関係なく職務上請求書を使用することは、不正使用となります。興信所等の調査会社の依頼で、職務上請求書を使用し、第三者の戸籍謄本・住民票の写しを入手するのは、不正使用に該当し絶対に依頼に応じてはならないことになります。このような行為をした場合、処分の対象となり業務の停止や悪質な場合は廃業勧告まで至ることになります。

 

過日行われた県書士会主催の特別倫理研修会では、職務上請求書の取扱について相当の時間を割いて、講義されました。万一紛失、盗難にあった場合は、法務局から法務省へ連絡があり、市区町村にも連絡がなされ、その状況が周知される様になっています。職務上請求書にはすべて連番が付されておりますので、どの会員等に配付されているのか厳重に管理されていることになっています。また、日行連が毎月発行する「日本行政」に必ず職務上請求書の取扱に関するお知らせがなされています。行政書士の職務としては最も大事な責任が課されているといっても過言ではありません。