死亡・相続に伴う各種の手続きについて日行連が発行する「日本行政」4月号と5月号に、総務省行政評価局の井上調査官の論文が寄稿されていましたので紹介します。
国・市町村職員、金融機関及び行政書士等の士業関係者で構成するサービスデザインワークショップにおいて計4回会議が開催され検討が行われました。相続関係手続きについては、
・遺産分割協議前部分の戸籍謄本の取得
・法定相続人の確定
・預貯金口座の確認及び預貯金残高証明書の取得
これら論点について、現状分析から問題点などを洗い出し議論されたとのことです。戸籍謄本の取得については本籍地へ出向くか、郵送で行うのですが、これを戸籍証明書の広域交付ということで戸籍法の一部改正を行うこととしています。また、戸籍謄本の束を防ぐために法定相続情報証明書という形で、すでに改善がなされています。
しかしながら相続はヒトが絡む問題でありますので、手続全般をカバーすることは困難であることから適切な対価により代理人(弁護士・税理士・司法書士・行政書士等)を選定するといったコーディネートを行うことができれば、相続人の負担の軽減につながる、と提案しています。これについては行政書士等が業務の一環として携わっているところです。
現状のところ国がすすめるワンストップ化は、未だ道半ばで今後の進展を待たなければなりません。本論文では随所にカタカナ用語がありますが、当該用語自体が政府が目標とするワンストップ化と言えますので下記に記載したいと思います。
◯デジタルファースト
社会の様々なサービスを受けるための手続が一貫してデジタルで完結すること。
◯ワンズオンリー
一度提出した情報は、二度提出する必要がなくなること。
◯コネクテッド・ワンストップ
民間サービスを含め、複数の手続・サービスをワンストップで実現すること。