朝日新聞8月5日付け大槌町震災記録誌「生きる証」が完成したことに注目しました。
内容を要約すると、
・聴取に応じた職員や元職員は35人、多くが実名掲載を承諾した。
・なぜ屋外に災害対策本部を設け、住民に避難指示を出せず、職員も逃げられなかったのか
・反省と教訓を活かすため記録誌を発行
・専門家は「全体像の一端が見えだした」と評価する一方、第三者による再検証も求めている
東日本大震災で大槌町は住民の1割近い1,286人がお亡くなりになりました。最大の謎はなぜ庁舎前に本部を設置し避難誘導をしなかったのか、という点です。新聞には庁舎前の外に机を並べ話をしている職員の様子が掲載されています。そこにはこの後1分後に津波に襲われるような緊迫感はなく、日常の一部のような印象を受けます。
マニュアルによると高台に本部を置くことが記されていたそうです。庁舎は倒壊する危険があるから取りあえず外に設置したのかも知れませんが、あまりにも危機意識が欠けていたように見えます。震災の2日前にも大きな地震がありました。この時は幸いにも津波は発生しなかったので、又来ないだろうと楽観視したのかも知れません。
この記録誌は大槌町のホームページでも全編を読むことができます。特に第11章は当時どんなやり取りがなされていたか、職員の証言によって明らかになっています。ぜひお読みいただければと思います。